引っ越し前でも、住み始めてからでも、大雨のあとでも——その場所で過去に浸水があったかどうかが気になる瞬間ってありますよね。ただ、「どこで調べればいいか」がよく分からなくて、ハザードマップを見ただけで終わってしまう方も多いと思います。
さいたま市在住のカズナリです。地域情報メディア『サイタマテラス』でエリア担当ライターをしています。水害リスクの調べ方は、住む前に確認した場所と、住んでから改めて気になった場所とで、自分でも何度か調べ直した経験があります。
この記事では、さいたま市で浸水履歴を調べるときの確認先と、見落としやすい点を整理します。実際に使える公式ツールも3つ紹介しますので、順番に見ていきます。
浸水履歴とハザードマップは別のものです
浸水履歴は「過去に実際に水が出た記録」で、ハザードマップは「大雨が降ったときに浸水する可能性がある区域のシミュレーション」です。どちらも水害に関する情報ですが、内容は別物。
よく混同されるのですが、ハザードマップに色がついていない場所でも、過去に浸水したことはあります。逆に、浸水履歴がある場所が必ずしも今後も危ないとは言い切れません。両方を合わせて見ることに意味があります。
さいたま市が公開している浸水履歴の確認先
さいたま市は「さいたま市浸水履歴マップ」を公式で公開しています。平成25年4月から令和4年12月までの浸水被害をマップ化したもので、区ごとに確認できます。
配布はしておらず、閲覧のみの提供です。防災課(電話 048-829-1126)や各区役所総務課でも見ることができます。内容の更新は公式ページで確認することをおすすめします。
洪水と内水では確認するマップが変わります
さいたま市のハザードマップは、河川の氾濫を想定した「洪水ハザードマップ」と、下水道の排水能力を超える雨による「内水ハザードマップ」の二種類があります。
洪水ハザードマップは令和7年1月に更新されており、荒川・入間川版、鴨川・鴻沼川・新河岸川版など複数の河川版があります。自分の住所がどの河川の影響圏に近いかで、確認すべきマップが変わります。
内水ハザードマップは令和8年4月に最新版が公開されました。時間最大153mm・総雨量249mmという最大規模の雨を想定したシミュレーションで、浸水深が6段階で色分けされています。
浸水履歴を調べるときに使える公式ツール3選
先に結論を言うと、さいたま市には浸水履歴や水害リスクを調べるための公式ツールが3つあります。それぞれ役割が違うので、目的に合わせて使い分けるのが動きやすいです。
- さいたま市地図情報(防災まちづくり情報マップ)
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浸水履歴・洪水・内水・土砂災害など複数のマップを住所で重ねて確認できる。無料。PC・スマホ対応。公式URL:https://www.sonicweb-asp.jp/saitama/
- さいたま市水位情報システム
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市内の河川・道路・下水道の水位をリアルタイムで確認できるウェブサービス。無料。大雨時の状況把握に向く。公式URL:https://www.city.saitama.jp/001/011/001/suiijouhou.html
- さいたま市防災アプリ
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避難情報・ハザードマップ・マイ・タイムライン作成が一つにまとまったスマホアプリ。無料。iOS・Android対応。公式URL:https://www.city.saitama.jp/001/011/015/009/001/p087020.html
わたしが最初に使ったのは「さいたま市地図情報」です。住所を入れると浸水履歴・洪水・内水のマップを切り替えながら見られるので、一か所で完結する点が便利でした。
物件探しで見落とされやすい確認の順番
見落としやすいのが、不動産情報に記載のある「洪水ハザードマップ」だけ確認して終わってしまうケースです。内水ハザードマップや浸水履歴マップは、不動産の重要事項説明に必ず出てくるわけではありません。
わたしが物件を見るときは、まず住所で浸水履歴マップを検索して、次に内水と洪水の両方のハザードマップで確認する順番にしています。この順番のほうが、自分には落ち着いて見られる気がしています。
現地で見ておきたい地形と道路の状態
地図だけでは分かりにくいのが、周辺の道路と土地の高低差です。坂の途中や低くなっている交差点付近は、大雨のときに水が集まりやすい。
実際に現地を歩いてみると、道路脇の側溝の深さや、近くに調整池があるかどうかも目に入ります。公式マップで確認したあと、一度は街の地形を肌で感じてみるのが、わたしにはしっくりきます。

地形は地図より足で感じたほうが早いこともあります
大雨のあとに確認しておきたいこと
大雨が降ったあと、自分が住んでいる地域の様子が気になったら、「さいたま市水位情報システム」を見てみるのが早いです。
河川・道路・下水道の水位が地点ごとにリアルタイムで更新されるので、「あの道路はどのくらい水が来ていたのか」が翌朝でも履歴として確認できます。近所の低い道路や公園の排水口まわりの様子を翌日に歩いて確かめることと、このシステムを組み合わせると、地域の癖が少しずつ分かってくる気がしています。
よくある勘違いと正確な理解のしかた
「浸水履歴がないから安全」という理解は、少し危うい見方です。記録期間が限られていること、軽微な浸水は記録に残らない場合があること、地形や排水環境は変わることもある。
逆に、「ハザードマップで色がついているから絶対ダメ」というわけでもありません。浸水深の想定は区域によって異なり、備え方で対応できる範囲も変わります。情報は判断の材料であって、答えそのものではありません。
公式情報だけでは足りない理由
公式のマップは「大きな単位での傾向」を示しています。隣の区画との細かい高低差や、建物ごとの排水状況は、地図の上では分からないことがほとんどです。
管理組合や近隣の方に「大雨のときどうでしたか」と一言聞いてみるだけで、地図に出ない情報が得られることもあります。公式情報を土台にしながら、現地の声を加えていく。この両方があって初めて、少し安心感が増す感じがします。
過去記録と今の備えをつなぐ手順
浸水履歴と各ハザードマップを確認したら、その情報を自分なりに整理する時間を少しとっておくと、具体的な備えに動きやすくなります。
「防災まちづくり情報マップ」を開き、住所を入力して浸水履歴マップを表示させる。
河川名の異なる洪水マップと内水マップをそれぞれ切り替えて確認する。
さいたま市防災アプリをダウンロードし、マイ・タイムラインを作成しておく。
浸水深の色・履歴の有無・現地で気になった点をメモしておく。
向かないケースと確認の限界について
浸水履歴マップはあくまで「記録されている範囲」の情報です。近年の大規模改修や道路整備で排水環境が変わっている場合、過去の記録がそのまま今の状況を示すとは言えません。
また、個別の物件の安全性や将来の浸水有無は、このマップだけでは判断できません。購入や賃貸の契約を最終的に決める材料として、公式情報だけに依存しすぎないことが大切です。
- 記録期間外(平成25年以前)の被害は含まれない
- 軽微な浸水は記録されていない場合がある
- 個別物件の安全性は断定できない
- 地形や排水環境は変わることがある
調べ始めるなら今週末が動きやすいです
まず「さいたま市地図情報」で今住んでいる場所か、気になっている住所を検索してみてください。浸水履歴マップを表示させるだけなら、5分もあれば確認できます。
色がついている・いないより、「記録があるかどうか」「どの時期のものか」をメモに残しておくと、次に現地を歩くときの見方が少し変わります。わたし自身も、地図で確認したあとに街を歩くと、側溝の深さとか道路の傾きとかが気になるようになって、それが備えの出発点になったと感じています。
週末に少し時間をとって、今の住まいか検討中の場所のマップを一枚見てみる。さいたま市防災アプリをこの機会にスマホに入れておくだけでも、なんとなく不安なままよりずっと楽になりますよ。そう感じてもらえたらうれしいです。


























