「福祉避難所」という言葉は知っていても、誰が使えるのか、どうすれば行けるのか、家族が困ったときに実際に動けるかどうか、なかなかイメージしにくいですよね。
さいたま市在住の整体院院長で、地域情報メディア『サイタマテラス』のエリア担当ライター、カズナリです。防災について調べるとき、わたしは制度の言葉より「実際にどう動くか」から考えるようにしています。
この記事では、福祉避難所とは何か、一般の避難所との違い、さいたま市での開設の流れ、平時に相談できる実在の窓口の情報を順番に整理します。
福祉避難所とは何かを確認しておく
福祉避難所は、高齢者や障害のある方など、特別な配慮を必要とする方(要配慮者)を受け入れるための設備・人材を備えた避難所施設です。
さいたま市では、社会福祉施設等と協定を結ぶ形で、令和7年12月時点で市内に103施設が設定されています。ただし、平常時は福祉施設として通常運営されています。
一般の避難所と何が違うのか
一般の指定避難所(小中学校など)は、発災後すぐに開設される場所です。まず全員がそこへ向かうことが前提になっています。
一方、福祉避難所はその後の「二次避難所」という位置づけ。発災から概ね3日程度経過後の開設を想定しており、災害発生当初から開いているわけではありません。
施設の安全確認や職員の参集に時間がかかるためです。会議室やリハビリスペースを活用して開設される仕組み。
誰が福祉避難所に移動できるのか
対象となるのは、要配慮者のうち、一般の避難所では生活に著しく支障をきたす方です。要介護・障害の程度が高く、専門的なケアや特別な配慮を必要とする方が中心になります。
令和6年3月のさいたま市地域防災計画の改定により、医療的ケアを必要とする方も対象として明記されました。対象の範囲が少し広がっています。
ただし、施設には受け入れ可能人数の限りがあります。より必要性の高い方が優先されることも、あらかじめ知っておきたい点です。
直接行けない、という点が見落としやすい
見落としやすいのが、福祉避難所には原則として直接避難・直接連絡ができないという点です。
さいたま市の公式説明では、「まず一般の指定避難所に避難し、そこで市の保健師などにより移動が適当と判断された方が福祉避難所に移動する」という流れになっています。
「名前を知っていた施設が福祉避難所だから、直接そこへ行こう」と考えてしまうと、いざというときに動けなくなるかもしれません。わたし自身、調べる前はそう思い込んでいた部分がありました。

名前を知っていても、直接は行けない仕組みになっています
開設の流れで知っておきたいこと
さいたま市での開設の流れを整理すると、次のようなイメージになります。
自宅が被災した場合、最寄りの小中学校などの指定避難所へ避難します。
避難所で市の保健師などが状況を確認し、福祉避難所への移動が適当かどうかを判断します。
移動が適当と判断された方が、市の調整のもとで福祉避難所に移動します。
移送については、原則として家族等の支援者が担うことが想定されています。移送手段がない場合は、市の公用車や埼玉県バス協会との協定車両が活用される場合もあります。ただし状況によって異なるため、公式確認が前提です。
平時に相談できる実在の窓口3か所
実際に災害が起きてから「どこへ行けば」と考えるのはなかなか難しい。平時のうちに相談窓口の場所と連絡先を確認しておくと、いざというときに焦らなくて済みます。
- さいたま市 福祉総務課支援係
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福祉避難所の設置・運営の担当窓口。電話:048-829-1253。浦和区常盤6-4-4(市役所本庁舎内)。さいたま市公式サイトから最新情報を確認できます。
- 各区役所 健康福祉部福祉課
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各区の福祉避難所の開設調整や要配慮者支援の実務窓口。大宮区・浦和区・緑区など各区ごとに窓口があります。
- さいたま市 防災課防災対策係
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防災対策の総合的な企画・調整の担当窓口。電話:048-829-1127。個別避難計画や防災情報の確認はここへ。
情報は更新されることがあります。電話番号や担当窓口については、さいたま市公式サイト(city.saitama.lg.jp)で最新の情報を確認してみてください。
家族で共有しておきたい情報とは
要配慮者本人が「行けるかどうか」の判断をするのは、災害時には難しいことが多いです。家族の誰かが動ける状態であるかどうかも、あらかじめ話しておく必要があります。
- 要介護度・障害区分・医療的ケアの有無
- かかりつけ医の連絡先と服薬内容
- 緊急連絡先と家族それぞれの役割
- 移送手段の有無と必要な補助器具
避難所で「この方は福祉避難所への移動が必要です」と判断されたとき、情報がすぐに出てくるかどうかで動きやすさが変わります。紙でもスマートフォンのメモでも、一箇所にまとめておくだけで十分です。
よく混同されやすい点を整理する
正直に言うと、わたし自身も最初は「福祉施設に通っているから、そこへ逃げればいい」と思っていた時期がありました。でも、さいたま市のルールはそうではありません。
| よくある誤解 | 実際のルール |
|---|---|
| 知っている施設に直接行ける | 原則、直接避難・直接連絡は不可 |
| 申し込めばすぐ使える | 市の判断を経て移動する二次避難所 |
| 誰でも対象になる | 市が移動を適当と判断した要配慮者 |
| 発災直後から開いている | 概ね3日程度経過後の開設を想定 |
誤解したまま備えていると、いざというときに「思っていた動きができない」という状況になりやすいです。
持ち出し品で迷いやすい点について
福祉避難所は、一般の避難所より専門的な配慮が整っている施設ですが、すべての物資がそろっているわけではありません。
特に、普段から使用している介護用品や医療用品は、市の物資調達が間に合わないこともあります。おむつ、ストーマ用装具、補助器具など、普段から使うものは3日分程度を持ち出せるようまとめておく価値があります。
今日からできる一歩について
防災の備えって、「ちゃんとやらなきゃ」と思いながら後回しにしてしまいがちですよね。でも、福祉避難所については制度を理解しておくだけでもかなり違います。今日、家族の中に要配慮者がいるかどうかを確認して、かかりつけ医と服薬内容を一枚の紙にメモしておくだけで、動ける準備の第一歩になります。
わたし自身、家族の状況を考えるとき、「最寄りの指定避難所がどこか」を先に確認しておく、という順番が自分には合っています。その次に「そこから先の流れ」を考える。一度にぜんぶそろえようとしなくていいと感じています。
まず今週末、さいたま市のハザードマップと避難所情報をスマートフォンで開いてみてください。それだけでも、今日より少し安心できる時間になったらうれしいです。


























